低温蒸し(70度蒸し)とは
低温蒸しとは、食材が美味しくなる50〜90℃の飽和水蒸気内で蒸し上げる調理法です。⇒ 蒸し温度と時間の対応表.pdf(印刷用)
⇒ 蒸し温度と時間の対応表.xls(編集用)
上のを印刷して冷蔵庫とかに貼っておくと便利(。◕ ∀ ◕。)ノ
食材の栄養素を壊さず美味しくする
水蒸気100%のマイナスイオン効果で、火を通しながら素材の味を蘇らせる低温蒸し。無酸素状態で火を通すため食材が酸化しません。 野菜のえぐ味、肉魚類の脂分などを揮発させ、本来の持ち味を引き出します。
酵素を活性化させ、素材の味を引き出す
食材が、一番気持ちいいなって感じる温度帯がそれぞれあります。 専門的な言葉を使うと、食材に含まれる酵素が一番活性化する温度で調理する「適温調理」のことです。一般的に酵素は48度以上で壊れると聞きますが、それは酵素の一面に過ぎず、ある食材の酵素は60度で本来の働きを発揮しますし、70、80、90度と、温度帯によって活性化する酵素の種類がそれぞれ違ってきます。
同じトマトでも、
- 生のトマトと
- 50度で蒸したトマトと
- 80度で蒸したトマトでは
基本的に、温度が低く生食に近いほどサラダ向きで身体を涼める陰性。
温度が高くなるほど、煮込み向きで身体を温める陽性。
低温蒸しは100度より低い「60〜90度」の蒸気で食材に火を通すので、 目的に応じた素材の味を、上手に引き出せるようになります。
季節や旬の野菜に応じて、そのときのお好みで色々試してみましょう。
温度に対応した酵素の活性化で、各自必要な栄養素の消化効率がぐんと上がります。
生命活動に欠かせない「酵素」を活性化させた美容食を、低温蒸しは叶えてくれます。
関連項目 ⇒ 酵素ダイエット
料理の手間が簡単になる
低温蒸し野菜を常備すれば、さっと合わせるだけで簡単に料理が出来ます。必要以上に火を通さないので熱源の節約になり、色味も鮮やかです。
「素材の美味しさと食感が高まり、料理が段違いの仕上がりに!」
何より低温蒸しが引き出す「素材本来の美味しさ」には、驚きと感動の連続✨
安っぽい添加調味料は一切必要なくなり、さらにヘルシーです(。◕ ∀ ◕。)ノ
低温蒸し 温度と時間

- 果物類、夏が旬の実野菜は50〜60度で30分程
- 冬の緑黄色野菜、エンドウ等は90度で5〜10分程
- 根菜、にんにく生姜等は70〜85度で40〜70分程
- 芋類は85〜90度で60〜90分
- きのこ類は66〜70度で20分程
- 肉、魚は66度〜70度で30分程
- 卵は66度〜70度で1時間
- アルコール、甘酒は53度で5〜10分
- 味噌、ヨーグルト、納豆、麹は40度で10〜16時間
《用途別 調理温度、時間》
- 生に近い状態で食べる夏野菜ほど、50度(低め)に近づく
- 煮物用で使う冬野菜や根菜は90度(高め)に近づく
- 緑黄色野菜は色が変わりやすいので、高温で短時間
- ソース用のトマト、玉ねぎなどは80度に設定
- 量が多いほど、密度の高い食材、質量のある食材ほど、蒸し時間を長くする
- 温度を高めに設定すると柔らかく、味に甘さが出る
- 温度を低めに設定すると歯ごたえが残る、生サラダ用or下調理として
《切り方、蒸し方》
- 基本的に、切ってから蒸した方が後で使いやすい
- 水分量の多い果野菜や果物、葉野菜は、丸のまま蒸すほうが味も食感も良くなる
詳しくはこちらを参考に ⇒ 蒸し温度と時間の目安
ちなみに野菜の個体によっては...
- 農薬や化学薬品の影響が顕著に出る
- 野菜の傷んだ部分が溶けるw(゚ロ゚)w
⇒ 野菜のOリングテスト(良いか悪いかの判断基準)になります:・'゚☆
低温蒸しで発酵も促せる

40度設定で、10時間。入れておく。
発酵による熟成が簡単に進みます(。◕ ∀ ◕。)ノ
味噌を熟成させたり、
乳酸菌と豆乳からヨーグルトを作ったり、
蒸した大豆+乳酸菌で納豆を作ったり。
お酒の場合は53度設定で、
日本酒を蒸して上質な酒にしたり、
甘酒を作ったり、と、大活躍です*:・'゚☆
低温蒸しの方法 やり方

- 蒸し鍋を食材の適温(50〜90℃)まで弱火で熱する
- 100%飽和蒸気で空間を満たす(蒸気に還元作用)
- 中心に蒸気の温度が伝わるまでじっくり蒸す
専用の低温蒸し鍋を使うと、非常に簡単です。
⇒低温蒸し専用電気鍋
オールタイマー式、全自動で料理の手間が一瞬で省けます。
蒸気の質も素晴らしく、仕上がりが段違いに美味しくなる*:・'゚☆
とってもオススメの低温蒸し器です♪
コレがあれば下の面倒な方法は必要ないです(' '*)
低温蒸し 根菜 イモ類

を蒸す時は
⇒シコマチック e-コントロール
といった、シラルガン圧力鍋のスチーム機能も適しています。
蒸気100%の空間+良質な保温効果で美味しく蒸せるのです。
- 沸騰させて蒸気で飽和させたあと
- 食材を入れ、
- 弱火+余熱で適温を保ったまま時間を測る
(炊飯器でも同じように出来ると思います)
火の通りづらい根菜系やお芋、アクが強い野菜や煮物用の野菜など、
予め切って蒸し上げると、アクもよく落ちますし味が染みやすくなるでしょう。
(大根、牛蒡、人参、玉葱、茄子(短時間)など)
玉ねぎは皮ごと蒸すという手も有り*:・'゚☆
70℃蒸しは、炊飯器の保温機能が活躍!

実践は炊飯器の保温機能がぴったりです。
根菜や南瓜、冬野菜、玉ねぎ・にんにく・しょうが等、多くの食材の持つ酵素がもっとも活発に成る温度帯70℃で、数日間〜数週間寝かせることで、どんどん熟成が進み、栄養価と甘みが増して美味しくなります。
例 ⇒ 熟成黒玉ねぎ・黒にんにく・発酵しょうがの作り方
夏野菜 果実類(50℃〜60℃)
葉野菜や果物、お肉や卵など、50〜60度の低温蒸しを実践する場合はまぁ、60℃のお湯にて50℃洗いの応用みたいにすればいいかもですね(' '*)
あと、やや面倒ですが、こうして厳密に蒸す方法もあります。

- 弱火でじっくり温度を上げ、蒸し空間を蒸気で飽和させる
- 蒸気穴から、温度を測る
- 対応する温度になった所で、食材をじっくりと蒸す
- 食材は連続して蒸すと良い(最初は低い温度の食材⇒順に高い温度の食材)
というような方法をとります。
網を敷き、鍋の大きさに合ったボールを被せて蒸していくのです。
箸を間において、食材の場所より低い位置から空気を逃します。
ボールで低温蒸しの再現
まずは予熱。鍋を用意し、弱〜中火で温度を上げていきます。じっくり温めることで、蒸気の状態が安定するのです。
ボールの中は、水蒸気で満たされるほど透明に近づいていく。

鍋のセッティング後、食材の汚れを50度洗いで落としします。
⇒50度洗い
温度が蒸し温度まで上がったら、食材を入れましょう。
ボールは熱いので気をつけて。




食材に熱が吸収されていくので、量が多いほど蒸し時間が長くなる。
温度が低い時は弱火、温度が高くなりすぎたら火を消す。
火を消しても、20分くらいは温度が安定します。
で、蒸し上がり30分前後の比較(。◕ ∀ ◕。)ノ


色が綺麗なままです(' '*) 火は十分通っています。
切ってから蒸すと時間短縮、煮込み料理向きの仕上がり*:・'゚☆
こちらでレシピを比較してます ⇒ ラタトゥイユ
ただ、50〜70度の温度管理。面倒くさいのです。
そのときは、低温蒸し専用電気鍋がおすすめ。
こちらの低温蒸し器を使うと、ほぼ全自動で手間いらずです。
⇒ 低温蒸し専用電気鍋
また、低温蒸しをする環境が整ってなくても
原理を応用すれば、より健康的なレシピを実践することが出来ます。
⇒ 油を使わないレシピ ウォーターソテーの実践
低温蒸し野菜 保存方法
蒸した野菜は、冷蔵や冷凍で保存できます。保存容器に入れて、底の水はけをよくしておくのが理想です。
冷蔵でも日持ちが良く、下蒸しした段階では2〜3日経って味に深みが増すことも...
冷凍の場合は1年近く持つかもしれないですが、一度解凍した分は2,3日で使い切るようにしてください。
解凍後は痛みが早いです。再冷凍もやらないほうが良いです。
低温蒸しの起源と応用

それに習って、鍋底のお湯に少量のヒマラヤ岩塩を溶かして蒸すと、 還元塩による芳醇な香りが素肌を喜ばせ、秘境の温泉宿にお野菜を連れ出してくれるかのようです(' '*)
⇒ヒマラヤ岩塩
最後までお読みいただき、ありがとうございます(' '*)