とある父親の話
国外の子、金髪ロングストレートの可愛らしいお嫁さんをもらう夢見た。
それは自分の視点じゃなく他の誰かから見た視点だった。
生まれてきた息子、じぶんそっくり?
って、その人は感じてた。
子育ては、ずっとお嫁さんに任せてた。
仕事場から戻ってきて、父はあるとき、息子に聞かれたんだ
「Is There beens?」
父は、その子がなんて言ってるのか分からなかった。
自分の国の言葉じゃない、彼女の言語で語られてるから。
お嫁さんは言った。
「あなたは、ずっと放ったらかしてばかりだった。
時々、この子とお話してあげて。
あなたの言葉を教えてあげて」
「ああ、悪かった。そうするよ。
ところでこの子はなんて言ってるんだい?」
「『お父さんは何になりたいの? 僕は音楽家になりたい』って意味を言ってるのよ」
その言葉を聞いた時、お父さんは涙した。なぜか?
お父さんも音楽家を目指していたからだ。間違いなくこの子も自分の血を引いているのだ。
ずっと放ったらかしにして、違う言語をしゃべって、父である自分ですら意思疎通がとれない。息子の言葉が分からないというのに。
そうだ、目指すところは同じなのだ。間違いなくこの子は俺の息子!
それは、喜びの気持ちと、今までこの子に何もしてあげられなかった後悔の気持ちが入り混じったような。
「そうだ。俺も、音楽家になるんだ。その為に、今、この時から頑張るんだよ」
父は、涙ながらに言った。
情けない父親だ。夢もロクに叶えられず、仕事ばかりだった。
もはや夢を諦め、仕事だけの人生、家のことは嫁に任せっきりだった。
自分は何をやっていたというのか? なのに2人は、そんな俺の事を想ってくれてる。
よく出来た嫁、可愛い息子。
なのに俺は、俺は…
俺は、このままでは終われない。
俺も自分に恥じない選択をし、この子のお手本になれるような。
素晴らしい嫁と、この子に相応しい父親になるのだ!と、決意したのだった。
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